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愛情を欲していた幼少期

三人きょうだいの長女で、すぐ下の弟とは年子という家庭環境で育った私は、小さい頃からよく自分の気持ちを我慢していました。自分が泣きたい時も、すぐ下の弟や妹が先に泣くので、私は、泣いている弟や妹の隣でいつも平気なフリをしていました。

夜寝る時に、母に甘えたくてくっつくと、子どもにベタベタされるのが嫌いだった母からは、「やめて!そういうの嫌なの!」と言われ、自分を受け入れてもらえないような悲しい気持ちになったのを覚えています。

自分の中にある寂しい気持ちや、愛されたい、温もりがほしいという気持ちは、満たされることなく、そんな自分の気持ちに蓋をして生きることが当たり前になっていました。

 

保育士としてのキャリア

大人になった私は、なりたかった保育士の夢を叶え、地元で公立保育園での仕事をスタートさせました。

 

初めて私が担任したクラスは、集団活動が苦手で、支援が必要な子が何人もいるクラスでした。

今でこそ、発達障害という言葉ができ、集団活動が難しい子どもに対する理解が深まっていますが、私が保育士になった20年近く前の現場では、そんな子どもたちへの知識や理解もほとんどなく、みんなと同じことをできない子は、ワガママな子、困った子というレッテルが貼られることが多くありました。

ワガママだという捉え方をすると、毎日のようにできない子のことを注意したり叱ったりしなければいけない保育になっていきました。

子どもたちが、まとまって同じことをしているクラスを見ると、自分のやり方や関わり方が良くないんじゃないかと、自信も持てなくなっていきました。

同じ職場で働く保育士同士でも、大事にしている保育観は様々でした。自分と違うやり方や考え方を見ると、相手のことを陰で批判したり、ジャッジする保育士同士の姿に、『自分の保育はどう思われているのだろう』と、上司や同僚の目を気にする自分もいました。『先生なんだから、しっかりしないといけないとか、弱音を吐くことは、恥ずかしいこと』といった思い込みが、知らない内に一人で色んなことを抱え込んでいくことに繋がっていきました。

そんな日々が、半年ほど経った頃、園長から、クラスの中でもこだわりが強く、自閉的傾向のあった子を専門施設へ通所するよう保護者に勧めた方がいいと言われました。

今でこそ、その時のタイミングが適切ではなかったことがわかるのですが、当時の経験の少ない私は上司に言われたことが『正しいこと』だと思い、その子の園での状況をわかってもらうことが大切なことなのだと思いました。

 

母親にとっては、集団生活で困っている我が子の姿を聴くことも、施設に通所を進められることも、とてもショックなことだったと思います。

面談後、私に対しても、保育園に対しても、母親は心を閉ざし、その関係を修復することもできないまま、新人1年目が終わったのです。

その時に私の中に残ったのは、子どもたちや保護者に対しての大きな罪悪感でした

 

このままではいけない。

保育園の中の当たり前ではなく、自分が納得できる答えを探そうと、子どもの発達についてや、障害についての様々な文献を読み、研究会にも自主的に参加しながら、集団活動が難しい子どもたちへの理解を深めていきました。

そんな学びの中で分かったのは、これまでの自分が保育士側の困っていることばかりの視点で、子どもたちや、保護者の困っていることに目を向けていなかったということでした。

どんなサポートがあったら、子どもたちが困っていることを解消することができるのか、少しでも集団生活を楽しく過ごせるためには、どうしたらいいのか?

色々な選択肢を学び、実践していきました。

そして、保護者に対しても、子どもの大変な姿ではなく、頑張っている姿や成長している姿を伝え、お母さんの悩みや葛藤に寄り添うことを大事にしていくことで、保護者とも、信頼関係を築いていくことができるようになっていきました。

苦しくて、どうしようもできなかった1年目の体験が、私の保育に様々な学びや新しい視点を与えるきっかけとなり、自分が納得できる保育観が少しずつ確立されていきました

 

 

家族と仕事の板挟み

  その後、結婚をした私は、今度は結婚生活で、大きな葛藤を抱えることになりました。

仕事がハードワークな夫は、帰宅すると、リビングでテレビを見ながら眠ってしまい、寝室で一緒に寝ることができませんでした。幼少期から、心の中に寂しさを抱え、温もりを欲していた私にとって、『一緒に布団でくっついて寝る』ということは渇望するほどの願いだったのだと思います。

何度も夫に「寝室にきて一緒に寝てほしい」と頼みましたが、夫のその生活スタイルが変わることはありませんでした。

 夫婦生活も新婚であるにも関わらずなく、子どもが欲しいと思っていた私は絶望的な気持ちになり、自分には女性としての魅力がないのではないかということさえ考えるようになりました。

 そんなモヤモヤした気持ちを、夫に伝えたところ、その思いが夫にとってはプレッシャーという形で負担となり、ますます状況は悪くなっていきました。

夫婦生活も子作りのためという名目になり、自分の思いをどうすることもできない状況にストレスを抱え、喧嘩になることもしょっちゅうでした。

 

なかなか子どもができず、ようやく妊娠した時には、夫婦でとても喜びました。

しかし、その喜びも長くは続かず、私は初めての赤ちゃんを流産してしまいました。

手術後、家に戻って来た私は、我が子を失った深い悲しみと喪失感の中、何もやる気になれず、散らかった真っ暗な部屋の中で、毎日毎日泣いて過ごしました。

夜には過呼吸が起き、夫はそんな私を毎晩介抱し、落ち着くまで寄り添ってくれました。

 

そんな日々を送る内に、ある時、ふと、『辛いのは自分だけじゃない』ことに気づきました。私ばっかり泣いて、私ばっかり話を聞いてもらってきたけれど、夫も同じように辛いのではないか。

そう思った私は、「●●くんも、辛かったよね?私ばっかり泣いて、ごめんね。」と夫に伝えると、その言葉を聞いて、初めて夫は泣きました。

目の前で泣く夫の姿を見て、辛い中、ずっと私のことを支えてくれていたことに気づき、夫を抱きしめ、二人で一緒に泣きました。

流産という体験はとても辛い体験でしたが、夫と少しずつ話をしながら、赤ちゃんが来てくれた日々は幸せなものだったこと、妊娠することにこだわって、毎月一喜一憂し、精神的にも追い詰められる日々を、赤ちゃんが変えてくれたこと。

私達が、幸せに仲良く過ごして欲しいというメッセージを赤ちゃんは伝えに来てくれたのかもしれないと感じるようになりました。

 それからは、妊娠することにこだわらず、二人で楽しい日々を送ることを大事にしようと決め、旅行へ行ったり、自然の中に出かけていったり、好きなことをすることで、心から毎日を楽しめるようになりました。

 

そして1年ほど経った頃に、自然と赤ちゃんを授かり、無事第一子を出産。

可愛い我が子の子育てに邁進する日々を過ごしました。

 

 

そして、1年半の育休の後、私は、保育士の仕事に復帰しました。

復帰後の仕事は目の回る程に大変な日々でした。

クラスの子どもたちが抱えている背景には、保護者の抱える苦しみや葛藤がありました。保育士としてできることの限界や自分の無力さも感じることも沢山あり、仕事で抱える負担が自分のキャパを超えている状態になっていることも当時の私は気づいていませんでした。

 

第二子を出産する直前に、自分に対しての問が初めて立ちました。

それは、これまで、見ないふりをしてきた自分の中にずっとある『問い』でした。

 

 「私は、いつまで心身をすり減らしていくような働き方をしていくんだろう?」

 

 それまで誰かに迷惑を掛けることを恐れ、人の目を気にして生きていた私は、仕事を退職する選択自体が、『いけないこと』のように感じていました。経済的な不安もありました。

それでも、少しずつ自分の中にある思いに気づき、最終的には誰のためでもない、自分自身のために勇気と覚悟を持って、保育士の仕事を手放すという決断をしたのでした。

 

 

 

LMC協会との出会い

その後、私は、ライフミッションコーチ協会に出会い、自分がこれまでいかに他人のコップで生きていたのかということに気がつきました。

 1デイ講座の中で、Google社の『職場の生産性を高めるための研究』で心理的安全性の大切さを学んだ時に、私の頭の中に真っ先に浮かんだことは、保育士の時の職員会議でした。

私は、職員会の中で、一度も自分の弱音や苦しい気持ち、葛藤を吐き出したことがなかったのです。おかしいと思うことや、本当はこうした方がいいんじゃないかという自分の本音を出すこともできず、上司や職場の当たり前に合わせて生きてきた自分に気がつきました。

 

 私は、トゥインクルスター養成講座を受講したことで、安心安全ポジティブな場の中で、自分の言語を取り戻し、自分が心から思っている想いを、言葉で伝え合えるようになりました。小さい頃から自分の気持ちに蓋をして生きてきた私にとって、それは涙が出るほど大きな喜びでした。私の言葉は、これまでの人生で伝えてこられなかった分を取り戻そうとするかのように内側から溢れてきたのです。

そして、過去から自分が囚われていた寂しい気持ちや、苦しかった思いを癒やしていったことで、第二子出産以降、離婚まで考えていた夫との関係も良くなり、今では、夫に自分のやりたい思いを伝え、サポートしてもらうことができるようにもなりました。

自分が本当にやりたいと思える情熱から自分の想いを語り、自分の人生をど真ん中で生きているという実感を持って生きられるようになったのです。

 

 

私のビジョン、ライフミッション

私のビジョンは、

子どもたちがありのままの自分を受け入れてもらえる環境の中で、自分の持っている強みや個性を発揮し、幸せに育っていくことができる社会を創ることです。

 

そのために、私が何よりも大事だと思っていることは、子どもたちの周りにいる大人が、『自らの人生を、自分自身で幸せにしていくこと』『未来に希望を持ち、毎日に充実感を持って生きられること』だと思っています。

 

否定やジャッジの眼鏡をかけて、相手をコントロールするのではなく、相手の背景に寄り添い、自分の力を信じて見守ってくれる人達の中で、安心して大人も子どもも成長できる、そんな場を、私は、教育現場に拡げていきたいと思っています。

 

そして、仕事にやり甲斐を持ち、自分の得意なことを活かしながら、幸せに、生き生きと働く先生達を増やしていきたいのです。

 

 

 

 

それは、ライフミッションコーチ協会が目指している自分の幸せのコップで、自分の強みを発揮して生きられる人を増やすというビジョンとも重なることでもあります。

 

 

私のライフミッションは、『誰もが、自分が持っている本来の輝きを取り戻し、自分の人生をど真ん中で生きられる人、あたたかい繋がりの中で成長できる人を増やすこと』です。

 

 

ライフミッションコーチ協会の認定講師になってから、延べ500名を超える方にお会いし、セッションをしてきました。

その中で、過去の私のように、人の目を気にしながら、自分が本当にやりたいことが分からずモヤモヤしている人が、とても沢山いるという現状目の当たりにしました。

安心安全な場の中で内面ホリホリし、自分の思いを言語化することで、心が楽になり、笑顔を取り戻していく人達の姿を見て、認定講師活動の重要性を改めて実感していきました。

 

 

 私がVNになると決意した理由は、自分の幸せのコップがわからず、苦しくなっている人が、自分の中にある心からやりたいと思える情熱(ライフミッション)を見つけ、毎日に幸せや充実感を感じて生きられる人を一人でも増やしていきたいと思ったからでした。

 

VN養成講座の中で、ファシリテーション能力や、チームビルディングを学び、そして、講座受講後には、300名以上を巻き込んだオンラインイベントのリーダーをさせてもらったことで、仲間と、会議をすすめ、企画運営をし、それぞれが持っている力を最大限に発揮して創り上げていく体験は、私にチームで取り組んでいくことの大きな価値を教えてくれました。

 とにかく、会議が楽しくて、仲間と脳みそに汗をかくほど、必死で考えながら実践していくことの楽しさ、描ける未来の拡がりにワクワクしました。

 

過去、私は保育士時代に、いつも「正解」を探して、保育をしていました。

けれど、今、私が、自分自身を振り返り思うことは、『正解なんてない』ということです。

 時代は変わり、その時々で社会の価値観も大きく変わります。

 その時々で、求められることも変っていくのです。

 

『これまでもそうしてきたから』『これがあたり前だから』『上司が言ったから』という固定概念や思い込みから、思考停止になるのではなく、

様々な経験、年代、能力、価値観を持つものが頭を寄せあい、仲間と力を合わせて、より良い環境や教育を創っていくことができる、そんな組織を現場に創っていきたいと思っています。

 

そして、子どもたちが大人になった時に、仕事すること、仲間と繋がること、生きることに幸せを感じ、未来にワクワクしながら、成長し続けられる社会にしていきたいのです。

 

 

私は、自分のビジョンを見つけ、初めてそれを言語化した時に、『自分なんかにできるのだろうか』『こんな大きなことを口にしてもいいのだろうか』と大きな恐れを感じました。けれど、その時に、一歩を踏み出す勇気がもてたのは、ライフミッションコーチ協会の仲間の存在や、自分のことを心から信じてくれる、自分より先を進むVNであるメンターの存在のおかげでした。

だからこそ、今度は、私自身がライフミッションを生きる一歩を踏み出していく人達に、そのステージを生きる勇気を与え、希望を与える存在になっていきたい。

そんな思いで、ライフミッションファシリテーターとなり、TWスター養成講座を開講し、ちょうど明後日で1年が経ちます。

 

私の周りには、自分の情熱を見つけ、ライフミッションを生きるというステージを進み出し、自分の輝きを発揮して生きられる人が少しずつですが、増えてきました。

そして、そんな受講生さん達がまた自分の周りで小さな渦を拡げています。

 

今後の私

 私は、ここから、自分のビジョンに少しでも近づいていくために、人々を率いるステージから、社会を巻き込むステージに、成長していきたいと思っています。。

 

そして、1、2年後には、自分がリーダーとなって、自分の言語を取り戻した仲間と共に、家庭や教育現場をサポートできるチームを立ち上げ、安心安全ポジティブな場を教育現場、家庭、地域の中に拡げていきたいです。

 

そのために、私は、自分の中の理念や価値観を明確にし、自分の大きなビジョンをより沢山の人に伝え、その思いに共感共鳴してくれる仲間を拡げ、ビジョンの実現に向かって進んで行きたいと思っています。

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